237866 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

掌の砂、流れる雲、それから。

掌の砂、流れる雲、それから。

こんな本を読みました



将棋の子


   
この本は、読み進めていくうちに、涙が止まらなくなってしまった本の一冊。

将棋の強い小学生がプロを目指し、その過程の中での出会い・挫折・恋愛など…

彼は「堕ちるところまで」堕ちていく。

そんな彼を支えようとした人も、数多くいたのだ。

でも、なりたい自分と、なれない自分の間で、苦しんで苦しみ抜いて、結果、たくさんの人を傷つけ、失っていく。

彼を最期まで信じ、支えようとした母親は、乳がんの末期でありながら彼の為に
「家に帰りたい」と言う。

勿論、彼は初めのうち、母の病状に気付かない。

私は、そこに、深くて悲しい母の愛情を見る。

自分も、多分、息子に対してそうしていたから。

ちょっとでも、息子が傷つかないようにしたかったから。

涙をこぼすのは、いつもひとりの時だった。

看護師さんに叱られた。「ここは病院なんだよ!もっと、わがままでもいいんだ

よ!」と。でも、やっぱり、誰かがいると泣く事ができなかった。

生死の淵で、最期くらい、「いい子」になりたかった。そう感じてた。

それに、やっぱり、息子の前では余計に普段通りになっていた。

多分、主人公の母親も痛みよりも尚、大切な者の前では明るく振舞いたかったと思

う。精一杯の、優しさと愚かさ。これが多分「母」なんだ。

母を亡くした後、主人公の彼は、初めて人を好きになる。

初めて自分を、さらけ出して、抱き合える人の温もり…。

多分…人って綺麗事だけでは生きて行けない。

それが例え不倫だって、彼には大切な大切な、かよわくて温かくて、優しい夢であ

ったと思う…。


彼の後輩に、後に「天才」と呼ばれる羽生義治がいる。

多分、彼は羽生のことを充分、認めていたはずだ。憧れと嫉妬と、わけのわからな

い感情が入り混じっていたはずだ。

奨励会は、厳しい世界。そのサバイバルに敗れていくのは、必然だったのかもしれ

ない。結果論でしかないが、やはり、今四段以上で活躍する棋士は精神的にも、技

術的にも常人を超えている。


たった一人になった彼を、支え続けたものは一体何だろう?

これが、ラストシーン。気になる方は、読んで下さい。


人間のもつ寂しさ、逞しさ。愛情と慈しみと愚かさ。友情。そしてプライド。

ぎりぎりの状態の時、最後の最後、心を奮い立たせるものはなんだろう?

人は変われる?変われない?

幸せってなんだろう?

Last updated 2005.06.15 00:28:55


哭きの竜☆



キタ━━(゚∀゚)━━!!!

私個人的にはね。これは、漫画です。めっちゃ古い漫画みたいですが、いつ頃の作品なのかは残念ながら知りませんが。

キッカケはコンビニです。何年前かな、三年位かな?
コンビニで「いきなり最終回」って本が売ってました。
私は、たまたま、頭を使いたくなかったんで(いつもじゃん)
「あ、全部最終回ってイイかも」
と思って家でポヘーとしながら読んでいきました。

そしたら、妙に、気になる漫画があったんです。

思わず、二日で九巻全部揃えました。自分の食事代を削って。
(その頃は、母子家庭の世帯主だったんで)

見事、ハマリまくりましたーーーーーーーーーー!!!!!

「フッ」

余計なことは話さない、自分の実力だけで「麻雀界」を渡っていく、
そんな竜がとても新鮮でした。
目の前に、どんな相手がいても臆せず、媚びず、へつらわず竜は背中を丸めながら
「あした」という幻に向って行きます。
多分、竜にとっては怖いものは何もなく
竜自身の「運命」をまっすぐに、淡々と歩いていくだけで…。

好きなキャラは、最後の対戦相手、雨宮。

この人、ホントに「勝つ」ことに狂気的にストイックで
それがもう、何て言うか…
ほんと、抱きしめたいくらい、イイんです(川平タッチでドーゾ)

最後、死んじゃうけど。雨宮…。

竜も、その運命を閉じちゃうけど。
「寂滅の愛」の人のとこに行ってしまうけど。
魂だけの存在にならなければ、彼女と一緒になれなかったんだろう。

私も、刹那的でも、権力に媚びず卑屈にならず、自分の意志を淡々と表現する、そんな人間になりたいなあ…とは感じます。
自分が自分らしくない時
「あんた、背中が煤けてるぜ」
と言う竜の声が聞こえてくるみたいな気がしますね。

Last updated 2005.06.17 19:54:20



「あらしのよるに」



これ面白いわ…。

って言っても、シリーズの第1巻を購入したんですが。

1ページ毎の、ひらがなの、短い言葉の集まりに

ドキドキするエッセンスが一杯でした。

短くて簡潔な言葉で、言いたいことや表現したいこと

全部言い切るのって難しいよね…。

何年か前から、本屋で見かけて、気になっていたけど

まさかここまで売れるとは

思ってなかったし

ストーリーを全部知ってる訳でもないので

一ページ一ページをめくる度に

「わっ!」とかマジで言ってしまった位

新鮮でした…!流石に、朗読劇や映画になるだけのことはあります。

これから読み進めるのが楽しみです。

Last updated 2005.12.17 22:23:23


© Rakuten Group, Inc.